話題の小型なのにしっかりチューブサウンドを出してくれる凄いヤツ。
ベースは録音した音だと正直変化を感じづらく、YouTube等の音があるレビューでも魅力を伝えきれてないのが歯痒いとこですが、弾いた感覚は確実に変わります!
トランジスタやクラスDのベースアンプが苦手だったんですが、解決手段もなくそういうもんだと割り切って使ってたんですよ、でもこの子のおかげで長年の悩みに終止符を打つ時がきた…!!!
話題の真空管搭載ブースター試奏したらめちめちゃ良かったから速攻買ったー!!
ベースは録音だとそんなに音変わって聴こえないけど、自分が弾いてる音のモニターのし易さが凄い良くなって、てろてろなのがタイトに弾けるように変わってるのわかるかな…?#BeyondTubeBooster #Things pic.twitter.com/O60IxGM9RO— Asam (@Asam_0ndatrack) November 14, 2020
レビュー
いや見た目かっこいいかよ
スイッチ方式はトゥルーバイパス、電池駆動は不可でエフェクター用のノイズ対策がされたパワーサプライを使う必要あり。(後述
真空管が剥き出しになってて、オンになるとライトアップされます。
(搭載真空管はエレハモの12AU7 EH)
シンプルな1ノブ、デフォルトの音量・トーンを変えるトリマーは内部に。
フルレンジブースターなのでベースにも問題なく使えます。
デフォルトではノブがミニマムの状態でもブーストがかかっていて「ブースト量=ペダルのキャラクター量」の様なイメージで使うとベースでは分かりやすい感じ。
フルアップでもそんな歪みませんが、チューブらしいサチュレーション・コンプ感は多少出るかな。
特にピッキング時に感じる「チューブ特有の反応」を感じれるので、基本かけっぱなしで使っています。
チューブライクがコンセプトのエフェクターって山ほどあって、「らしさ」の表現の仕方も千差万別だと思うんですが、真空管アンプの持つ表現力の豊さの部分を体現できてる製品に出会ったのはBeyondが初めてですね、僕には凄く刺さりました。
Beyond / Beyond Tube Booster【新品】【ビヨンド】【ブースター】【送料無料】 価格:30,800円 |
トランジスタ、クラスDアンプの弾き辛さの解消に使いたかった
チューブアンプっていうとギタリストの方がこだわり強いイメージありますよね、でもベースも理想を言えばチューブアンプがベストだと思っています。
現在のベースアンプの主流はトランジスタとクラスDですが、フルチューブのアンプと比べてしまうと同じ出力でも音が前に出てこなかったり倍音が聞き取りにくかったりするのが弱点。
結果無駄に力んでしまったり、不必要にボリュームやゲインを上げてしまって他の楽器に干渉してしまったりして、音楽的な事だけを考えた場合はあまりいい選択肢ではないのかなっていうのが個人的な意見なんですね。
ただ可搬性だったりメンテナンス性はトランジスタやクラスDの方が圧倒的に優れていて、実際は使わざるを得ないのが現代ベーシストが抱えるジレンマなんよね。
とは言え本格的に真空管が乗った製品は基本的に重く大型になってしまいがち。
その点でもコンパクトサイズエフェクターで電源も9Vでボードに組みやすいので、ベーシストのニーズにもマッチしてるんですよね。
「Beyond Bass Wired」や「Tube Buffer+」との違い
エレキベースに最適化されたBass Wiredは3バンドEQの有無もちろん、ゲインバランスが異なって設計されてる様です。
(Tube Boosterは前述の様にミニマム位置で既にブーストがかかりゲインアップのみですが、Bass Wiredは12時位置で1:1クリーンサウンドになる。)
Tube Buffer+はバッファーとしての機能がメインになり、増幅回路がシンプルなBoosterとは違いサウンドも異なります。
ベーシストはアクティブやプリアンプの使用頻度が高くインピーダンスの問題には対処法が多彩なのもあって、バッファーよりキャラクターの濃さや音圧感を稼ぎやすいブースターの方が面白いかなと僕は感じました。
ブースターかプリアンプかバッファーか、エフェクトの役割がきちんと自分の中で整理できていれば、自分はどれを選べばいいのか見えてくると。
気になった点
なるべくフラットな感想を心がけたいのでデメリットとかも…笑
良くも悪くも9V駆動
運用のし易さと言った面で「9Vいいよね!」と書きましたが、一方で短所でもあるんですよね。
チューブサウンドの味付けは確かにできるんですが、フルで真空管の持ち味を生かすとなると電圧不足ではあって
「どんなアンプでもまるでチューブアンプの様なサウンドに」
と言った効果まで期待すると肩透かしを食らうかも。
パワーサプライを選ぶ
パワーサプライはメーカー推奨の物かノイズ対策がされた製品を使う必要があります。
ノイズ対策なしの電源だとエグいほどノイズのって使い物にならないから要注意。
メーカーが明記しているパワーサプライは
- PROVIDENCE ( プロヴィデンス ) / PAP-509DCJ Battery Emulator 9.6
- CUSTOM AUDIO JAPAN ( カスタムオーディオジャパン ) / PB12DC9-2.1
- BOSS ( ボス ) / PSA-100 ACアダプター
の3製品です。
「ノイズが酷いよー」って人は電源を見直すべし。
少しノイズが乗りやすいか
上記電源の問題と共通してですが、エフェクターにノイズ対策の回路が乗っていないせいか、他エフェクターに比べるとノイズが発生した際に目立ちやすい(増幅される)傾向があります。
電源からのハムノイズはパワーサプライを選ぶことによって克服できますが、例えばベースやシールド側でノイズが発生した場合なんかにも結構な音量で拾うかな。
(普段気づかなかったボリュームノブのノイズに気づいたから気のせいじゃないと思う。)
前段にノイズリダクションを使えばおそらくリスク軽減できるんですが、サウンド面での妥協が出るのでそれはそれでジレンマっていう。
ただ結局、聴こえにくいところを聴かせてくれるって意味で使ってるから、この面に関してはどうしてもサウンドとトレードオフになるんすよね。
立ち上がりが遅い
これ最初故障かと思った…
ちゃんと真空管で増幅を行ってる証拠でもあるんですが、チューブが温まるまで音が出ません。笑
毎回体感40秒以上はかかってるので、バンドやってる人がブッキングでステージの入れ替えがあるシーンなんかは予め楽屋で電源につないで立ち上げてチューブ温めておいた方が無難。
アンプ側のセッティングによっては効果が薄い
専門的な知識はわからないんだけど、メーカー公式のページによると「偶数次の歪みと、奇数次の歪み」の違いがトランジスタアンプと真空管サウンドの差らしいんですね。
で、アンプ側で歪ませたりすると、結局希数次の歪みが出るよっていう話。
ガッツリ歪んでなくても3次調波が出てる時は該当パターンになるんだけど、これはもう自分の聴覚上の感覚を頼りに音作るしかないっていう…
音が引っ込むラインがあるから僕はなんとなくわかるんですが、そういうの気にしない(アンプを選ばない)タイプのプレイヤーならこのブースターの恩恵は少ないかも。
まとめ
ノイズ面で少し懸念点がありますが、小箱でやるときの軽量アンプ対策に買ったのでそこまで神経質に捉えてもないかな。
それよりも自分の音のモニターのし易さの恩恵の方が圧倒的にデカすぎる。
気に入りすぎて自宅で小音量で練習する時もずっとかけっぱで使ってます、手放せない…!