自分の制作スタイルにあったMIDIキーボードを見つけるための5つのポイント

アイキャッチ DTM機材

DTMを始めるにあたってほぼ必須アイテムだけど、オーディオインターフェースに次いでどう選んだら良いか迷う機材、そんなMIDIキーボード

 

  • DTMを始めたくて予算を組んでるけど、midiキーボードをどの程度のものを選んだらいいのかわからない人
  • 楽器(オーディオ録音)だけでデモ作りしてたけど、打ち込みにも興味が出てきてハードウェアシンセと並行して探してる人

 

そんな人たちに、親身な楽器屋の店員さんバリに(?)「こういうところから考えると良いよ」っていう、ガイドを作ってみました。

 

どんな環境/ジャンルの人でも共通して選べるように、おすすめ製品のランキングはあえて載せてません。

目的によってベストな選択肢って変わるからね、目的をはっきりさせるためのガイドとしてご活用くださいませぃ!

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シンセとの違い

まず基本的な認識として

  • シンセサイザー:単独で音を出す(作り出す)事ができる。キーボード型はアンプがあればそのまま演奏可
  • MIDIキーボード:単体では音が出ない。別で音源を用意しないと演奏不可

と覚えて問題ないでしょう。

 

シンセサイザーって?

厳密にいうとシンセサイザーは音を作り出す装置の総称で、必ずしも鍵盤楽器ではないんですが、「シンセ=鍵盤」のイメージが強く混乱している人も多いので覚えておくといいです。

 

音源モジュールのみの物や、ソフトウェアで動作するタイプも「シンセサイザー」になります。それをコントロールするためのインターフェースがMIDI鍵盤だったりスイッチ類だったりするわけですね。

 

MIDIキーボード=コントローラー

MIDIキーボード自体はただのコントローラーなので、それ単体で演奏することはできません。

LogicやStudio Oneなど、作曲に使われるDAWソフトの中にもシンセが入っていて、それを弾くために別途鍵盤を用意するというイメージ。

PC自体のタイピング用キーボードでももちろん操作できるけど、使いづらい事この上ないからDTMではほぼ必須アイテムだと思ってもらって良いです。

 

MIDI(ミディ):Musical Instrument Digital Interfaceという電子楽器間における共通規格

鍵盤数

作業効率に大きく関わるので、第一優先事項にしましょう。

25,49,61,88がスタンダードな鍵盤数です。

 

持ち運びを視野に入れているのか据置かに加えて、多くの人は作業スペースの都合を考えながら選ぶことになるかな。

25鍵

どちらかといえば、「サブ鍵盤」的な使われ方をする事が多いです。

  • 既にサンプラー等を持っているトラックメイカー
  • ハードウェアのシンセは持っているけど、デスクの上に乗るようなコンパクトな鍵盤を探してる

なんて人等向け。

EDMやHipHopのトラック制作であればこの鍵盤数でもそこまで不自由はないはず。

 

この鍵盤数であれば可搬性も高く、遠征先でのラフ制作やライブでのサブ鍵盤としても活用できるので、持ってて腐ることが少ないかな。

 

メインで25鍵を使ってる人ももちろん居ますが、やはりサブ機的な使われ方が多いので1台目にコンパクトなものを選ぶ場合は後の機材拡張も視野に入れながら選びましょう。

ポータブル用でBluetooth対応のモデルも売っていますが、レイテンシーの問題があるのであまり実用的ではありません。リアルタイム入力目的なら要注意。

49鍵

どう選んだらいいのか全く検討がつかない人はまずこの鍵盤数で探すのがオススメ。

 

鍵盤数が少ないと扱いやすそうに見えますが、オクターブの切替が必要になるので25鍵でリアルタイムレコーディングをする場合などは鍵盤未経験者の方がかえって扱いづらく感じるはず。

って考えると、スペースが許すのであれば最低でも49鍵は欲しいところ。

 

「あともう一オクターブ欲しい…!」

と感じる瞬間がなくはないので、ある程度鍵盤が弾けてスペースに余裕のある人は61鍵モデルを検討してもいいかもしれません。

61鍵

ここら辺から部屋の作業スペースと相談になってくる。

大型や専用のデスクじゃないと乗り切らない物が大半なので、基本的には別途キーボードスタンドが必要。

 

つまりPCとずっと正対しながら作業したければデスクにも投資しなければいけないって事。

大体はデスクの横にL字で配置する事が多いですが、ワンルームでそれをやるとかなり圧迫感が出て、逆に集中できなくなる可能性もあるのでサイズはよく考えるべし。

 

61鍵にもなると

「ん?ワークステーションシンセサイザーかな?」

みたいなナリをしてる機種があるけど、MIDIキーボードと書いてあればあくまでコントローラーで内蔵音源は入ってません。

結構な値段するし重いしでかいしで、見た目のかっこよさだけで多機能モデル買おうとすると絶対後悔する。

初めのうちはシンプルなタイプを買うことを推奨します。

 

88鍵

DTM用途ではほぼ無用の長物となる可能性が高し…

例えば弾き語りしてる人とかで

「グランドピアノのソフトウェア音源をリアルタイムレコーディングしたくて」

なんていう明確な理由が最初からなければ61鍵で事足りると思う。

 

一応ニッチな需要に答えてか、88鍵でハンマーアクションのピアニスト向け(?)の製品もリリースされているけど、ピアノに対してよほどの拘りがないかぎり初心者にはオススメはしません。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/189059/

(MIDIキーボードで12万てw)

 

シネマティックなBGM制作したくてピアノもガンガン使うし、なんなら日常的に全音域満遍なく使いますって環境ならワンチャンある…か…?

 

書いてて気づいたけどピアノ弾き語りしてる人は既に鍵盤持ってるかw

各種コントローラー、パッドの有無

DTM始めたての頃はあまり必要性を感じない部分なので難しいところ

 

最近は主要DTMソフトにマッピング(各種ノブやフェーダーのパラメータの割当)がされている製品も多く、だいぶ敷居が下がってきたものの、OSやDTMソフトのバージョンアップ時の悩みの種が一つ増えるのは頭の片隅に置いておく事。

 

N.I.などのソフト開発も行っていているメーカーの自社リンク型の機種はまだいいけど、ハードウェアメーカーのシンプルな「MIDIコントローラー」としての機種はドライバーのサポートが途切れた際などのコストを考えると、トップランナーじゃない限り個人制作レベルでは手を出しづらい感が否めないかなっていう。

 

パッドは単純にリズムの打ち込みがしやすくなるのであると便利なのは間違いないけれど、メーカーによって叩き心地がかなり変わります

できれば試奏環境があるお店で一度確認しておきたい部分。

 

エクスプレッションペダルが接続可能か

地味に忘れるチェック項目。

 

ぶっちゃけピアノ経験者じゃないと慣れるのに時間がかかったりするので無くても問題ない、という見方もあるけど、まぁ有るに越したことはないよね。

25鍵やポータブルモデルは省かれてる事があるので、コンパクトなスタジオ構築を考えている人は確認を忘れずに。

 

打鍵感

優先度低く設定しがちだけど意外と大事

 

というのも、修正&編集に割く時間を減らすためにみなさんキーボードを検討してますよね?

結局はMIDIキーボードも楽器なので、打鍵感が合わないと余計なクオンタイズ/タイミング修正やベロシティ修正をする羽目になります

 

ハンマーアクション(ピアノの弾き心地を再現したもの)を買いなさいなんて極論は絶対言わないけど

ずっと鍵盤に慣れないと思ってけど、キーボードを買い替えたら一発で解決した

っていう鍵盤初心者あるあるも存在するので、安価なモデルはそれなりだということを知っておいて欲しい。(本人談)

 

余計な物がついてなくてリーズナブル、エクスプレッションペダル接続可、かつ打鍵感良好と全てを満たす選定基準だと、RolandのA-49がオススメ。

ウェイテッドではないけどヘコヘコ横にブレるような安っぽい感じはなく、しっかりとしたワークステーションシンセのような弾き心地です。Dビームっていう謎のコントローラーを搭載しているところも可愛い。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/176056/

おわりに

目的にあった機材選びをする事は大事ですが、いきなり自分のスタイルにピッタリくる道具を探し当てるのは至難の技だと思います。

 

いずれ買い換えるであろうエントリークラスモデルでも、「経験を買う」という意味で絶対に無駄にならない投資です。

 

まだDTM,音楽経験が浅くて自分の目的がぼんやりとしているのであれば、無理して初めに大きい投資はせずに49,61鍵あたりのシンプルなモデルを中心に検討するといいでしょう。

「こういう機能があれば」と感じ始めたタイミングであれば、欲しいモデルもより明確になっているはずです。

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