SNSで見かけるようなかっこいいスラップって派手で憧れる人も多いと思うけど、手数が多かったりテクニカルでハードル高そうに感じてる人も案外多いんじゃないかな？
なんて人も、基本はそんなに難しくないからまずは「なんちゃって」から初めてみよう！
音の出し方
スラップは
- サムピング
- プル
の２つの動作で演奏されます。
「サムピング」は親指を弦にヒッティングして音を出す動作、「プル」は文字通り弦を引っ張って音を出す動作。
オルタネイトピッキングみたいに「サムピングの後に必ずプル」みたいな決まり事はないけど、低音弦側の担当はサムで、高音弦側はプルで弾くパターンがとりあえずの基本系だと思っておいてください。（例外も全然ある）
ベース初心者で音が上手くならせなくて悩んでる人はおそらくサムピングの方ですよね、動きからおさらいしていきましょう。
サムピング
サムピングが綺麗に鳴らない人は、手首が緊張してしまって
- 親指が弦に触れてる時間が長すぎる事
- 弦にヒットさせる位置が不安定になっている事
が原因です。
スラップは他の弾き方に比べるとスタイルに幅があって
- 親指を上に向けるかor下に向けるか
- 親指を弦にヒットさせた後、振り抜くかor返すか
など人によって違いがありますが、共通して使う部分があるんですね。
それが腕の回転運動です。
腕の回転運動を使う
よく「うちわをあおぐ動き」に例えられるかな。
腕を前に突き出して柴ドリルみたいに手を回転させてみてください。
慣れてない人は回転軸が定まっていなくて手首から先の動きがブレているはず。
つまり回転軸を意識して安定させれば
- 親指の軌道が安定する
- 余計な力みがあるとスピードのある回転ができないので自然とリラックスする
と一石二鳥なわけです。
プル
弦を引っ張って発音するプルは（暴力的に言えば）弦を離した後に音が出るので、鳴らすだけなら難しいことはないですよね。
メインの指は
- 人差し指派
- 中指派
に分かれるんですが、手の大きさはもちろんのこと、サムピングの項で触れた腕の回転軸の中心を考慮して選択できるとより良いでしょう。
- 中指側が中心→人差し指でプルすると回転軸がブレにくい
- 人差し指側が中心→中指でプルすると軸がブレにくい
左手は普段の倍ミュートを意識する
ピック弾き同様にスラップ奏法では右手でのミュートがかなり制限されます。
余弦（鳴らさない弦）のミュートは左手が担うことになるので、スラップでも左手のコントロールが非常に大切です。
鳴らす方の右手ばっかで意識が疎かになりがちだけど、ミュートが出来てないと結果的に綺麗な音が出ません。
右手が発音に注力できるように、左手の自由度を確保することも合わせて練習していきましょう！
スラップでは他の奏法と比べて余計な弦が鳴ってしまいやすいので、常に全集中の呼吸をするが如く左手がミュートをできるようになると理想です。
え、既に出来てる？左手のミュート常中ができるようだな！感心感心！
実践編：簡単なエクササイズでフォームを物にしよう！
それじゃあまずはサムピング、プルを別々に練習してみましょう！
楽器に慣れてない初歩の初歩の段階の人はいきなりコンビネーション（サムピングとプルの組み合わせ）で練習せず、一つ一つの動作を分けて練習すると効果的です。
体の使い方に集中できるから、フォームのイメージが明確になるよ。
サムピング
（譜例1)
やる時は必ずクリックを鳴らしながらやりましょう
まずはゆっくりなテンポから確実に。
プル
(譜例2)
譜面にスラップの演奏指示が書いてある場合、譜例のようにプルの箇所はアクセント記号で表されます。
低音弦側は意識してしなくても良いでしょう、やってみればわかるけど3,4,5弦ってすごいやりづらいのよね…
サウンドが必要なら取り入れますが、腕の軸ごと移動しないといけなくて安定感にかけるので使う場面は比較的少ないです。
慣れてきたらそれぞれでチェンジアップ・ダウンをやると効果的！
プルは単発で細かい動作をする事がないから、サムピングを重点的に強化するといいかな。
チェンジアップダウンがわからない方はこっちの記事に概要が乗ってるので合わせてチェックよろしくお願いします。
コンビネーション
音の出し方に慣れてきたところで、サムピングとプルを織り交ぜてより実践的な練習をしてみましょう。
オクターブ
(譜例3)
まずはスラップでもっとも使うことになるオクターブの動きに慣れましょう。
譜例のフレーズはダサいけど、動きの練習だから我慢して。笑
サムとプルでパラディドル
(譜例4)
(譜例5)
(譜例6)
＊わかりやすくTAB譜でフレットを載せてますが、任意のポジションでやっていただいて構いません。
実際に曲中で使われるスラップフレーズは、「サム・プル・サム・プル」と規則正しく繰り返されるばかりではありません。
プルを連続で弾いた後のサムがリズムがヨレる等の弱点を克服したい場合、こういった練習を取り入れると安定感が増します。
もし難しいようであれば、無理せず全部ゴーストノート(ミュートして実音が出ない状態)から初めてみてくださいね。
まとめ
基礎テクニックにフォーカスしてみるとそこまで難しくはなかったはずです。
「ちょっとまだ自信ないわ…」って人も焦らず、まずは毎日5分でいいからエクササイズを続けてみましょう、本当に毎日集中してやってたら1ヶ月もあれば絶対上達するから、騙されたと思って。
特殊テクニックも多くてハードルが高いように感じてたスラップも、一つ一つ噛み砕いていけばクリアできない壁じゃないんですよね。
あとはこれを積み重ねていくだけ。
逆に言うと複数積み重なってるからテクニカルで難しく感じるんだけど…笑
上手い人もいきなり超絶だったわけじゃなくて、小さい努力の積み重ね賜物だって言うのがわかってもらえたら幸いです。
