路上や小規模ライブの機材って、電源とかある程度知識がないとハードル高そうに感じませんか?
最近はそんなニーズに応えてかバッテリー駆動ができてポータブルな、いわゆるオールインワンタイプのPAシステムが各社から発売され始めています。
僕は2~30人規模の小さめな飲食店で演奏する機会がよくあるんですが、数回に分けて同じお店で同クラスの3機種を実戦投入してみたので、個人的な感想にはなりますがシェアしたいと思います。
結論から行くとYAMAHA STAGEPAS 200が一番好みでした。
スペック比較
YAMAHA/ STAGEPAS 200 |
JBL/ EON ONE Compact |
BOSE/ S1 Pro |
|
外寸(W x H x D) | 300 x 308 x 301mm | 255 x 399 x 291mm | 286 x 330 x 241mm |
重量(バッテリー込み) | 12.5kg | 8kg | 7.1kg |
入力端子 | コンボ x3 フォン(Stereo/Mono) x1 |
コンボ x2 フォン x1 ミニフォン x1 |
コンボ x2 ミニフォン x1 |
チャンネル | 1-3ch: input 1-3に対応、mic/line入力 4・5ch: input4,Bluetoothに対応、外部ミキサー等のステレオ音声入力 (実質のAUX inで操作上では1チャンネル扱いです。) |
1-2ch: input1-2に対応、mic/line入力 3ch: input3に対応、line入力 4ch: AUX in,Bluetoothに対応 |
1-2ch: input1-2に対応、mic/line入力 3ch: AUX in,Bluetoothに対応 |
再生周波数帯域 | 60Hz – 20kHz | 37.5Hz – 20kHz | 70Hz – 16kHz |
最大出力音圧(@1m) | 125dB | 112dB | 103dB |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間(条件明記なし) 8時間(1/16出力で再生時) |
12時間(1/8 volume) 4時間(Max volume) |
4~6時間(条件明記なし) |
ファンタム電源供給 | 1-3ch | 1ch | – |
エフェクト | ディレイ,リバーブ,コーラス | ディレイ,リバーブ,コーラス | リバーブ |
重量と機能機能面がわかりやすくトレードオフになってますね、路上での使用をメインに考えると可搬性(主に重量)も重要なファクターだと思うので、
「どういう機材として使っていきたいのか」
が選ぶにあたり一番重要になってくるかと思います。(なんでもそうかw)
「どういう機材として使っていきたいのか」
が選ぶにあたり一番重要になってくるかと思います。(なんでもそうかw)
サウンド面に関してもそれぞれが違ったスタンスでバランスを取っていて、レンタルサービスやお店で試奏などが可能であれば実際に聴いてみる事をお勧めします。
可搬性はS1 Pro≧EON ONE Compact>STAGEPAS 200
BOSE S1 Proが設置角度によって自動で音を調整してくれるので、設置場所の自由度が一番高く置き方による音質の変化も少なく感じました。
ポータビリティに一番優れ、難しいことは考えずに設置してすぐに演奏ができる手軽さがS1 Proの魅力だと思います。
ポータビリティに一番優れ、難しいことは考えずに設置してすぐに演奏ができる手軽さがS1 Proの魅力だと思います。
対してYAMAHA STAGEPASは12kgと7.1kgのS1 Proに比べると1.5倍強の重さがあり、気軽に移動できる重さかと言われると返答に詰まるところです。
付属のゴム脚で角度をつけることも可能ですが、スタンドとして使用した際のハマりが甘く僕は安定性に少し不安を感じました…
どちらかというとある程度環境が予測できる、カフェやバーなどの小スペースな屋内の方が向いてる印象。
付属のゴム脚で角度をつけることも可能ですが、スタンドとして使用した際のハマりが甘く僕は安定性に少し不安を感じました…
どちらかというとある程度環境が予測できる、カフェやバーなどの小スペースな屋内の方が向いてる印象。
JBL EON ONE compactは「S1 Proと比べた時に一歩届かず」といったぐらいで、可搬性に関しては申し分ない重量とサイズ感に纏まってると思います。
機能面比較
チャンネル数の表記がややこしいんですが、STAGEPASは4&5chがステレオでひとまとまりになってるので実質は4chだと思ってください。
比較表でも書いてますがスペック上で見てみると
STAGEPAS 200 > EON ONE Compact > S1 Pro
と、可搬性とトレードオフな印象です。
実際に使用しての感想も、ファンタムの有無/キャノン端子の入力数/ミキサー機能、そして各機能(エフェクトの品質やリモートアプリ)の実用性の高さはSTAGEPAS 200が一つ抜けて優等生でした。
1人の弾き語りであればどの機種でも問題なく使えるとは思うんですが、
XLR/フォンコンボジャック(マイクプリ有り)x3+stereo inという拡張性が、実はこのカテゴリーの製品で唯一無二のスペックだったりするのがSATAGEPAS 200の大きな強みとなっています。
XLR/フォンコンボジャック(マイクプリ有り)x3+stereo inという拡張性が、実はこのカテゴリーの製品で唯一無二のスペックだったりするのがSATAGEPAS 200の大きな強みとなっています。
サウンド面の感想
実際にマイクを立てて検証などデータでの比較ではなくただの主観で申し訳ないです…
YAMAHA,BOSEは低音がタイトで輪郭のはっきりした音が扱いやすく感じました。
JBLはスペック上はレンジが一番広く取られてますが全体的にぼやけてる印象があり、特に低音は屋内で壁から十分にスペースが取れない場合などに扱い辛さを感じる場面がありました。
JBLはスペック上はレンジが一番広く取られてますが全体的にぼやけてる印象があり、特に低音は屋内で壁から十分にスペースが取れない場合などに扱い辛さを感じる場面がありました。
低音に関しては、本体自体が共振しないようにある程度の質量が必要なのとスピーカー径が重要なので、こういった小型化された製品に関しては低音のレンジを切ってる方が取り扱いやすかったりするんでしょうね。
総評
少し重いのさえ目を瞑れば、外部アプリでの簡易ミキサーやUI、EQやエフェクトの効き等はYAMAHAが一番使いやすかったです、流石。(ただ一点だけ要望を言えばミュートスイッチが欲しかった。)
JBLは他2機種の中間的性能で、悪く言うとちょっと器用貧乏さを感じるかも…
リモートアプリやエフェクト類も使いやすいとは言い難いので、今後のファームウェアアップデートなどに期待ですね。
リモートアプリやエフェクト類も使いやすいとは言い難いので、今後のファームウェアアップデートなどに期待ですね。
S1 Proは機能が絞られてる代わりに難しいことを考えずに使ってもいい音で再生してくれるので、1人で路上弾き語りをしたいアーティストさんなんかは、RolandのCUBE Streetと比較検討してもいいんじゃ無いでしょうか。
コメント