え、ピック弾きがダサい?さては偏見を持っているなー!!!
- ピックでしか表現できない曲はピックで
- 指で弾くべき時は指で
って場面で使い分けられるベーシストがスマートなミュージシャンってもんじゃないっすか。
(ミュージシャン=スマートの図式が世の中にあるかは謎)
指より簡単そうだからってタカをくくって練習サボってると、色んなスタイルができるかっこいいベーシストになんてなれないんだからね!
はじめに:「ピック弾き=ゴリゴリのロック」だけじゃない
ベースでピック弾きってどうしても
8ビートでぶいぶいドライブさせるぜ!!!
ってイメージが先行しがちだけど、意外とファンクとかフュージョン系のジャズにも使われるって知ってました?
文字で説明するより動画でみた方が早かろう、文明の利器をとくと活用せよ!
Bass:Jamareo artis
Bobby Vega
Anthony Jackson
かっこいいですよね。
音色と相まって立ち上がりの早い硬質なグルーヴは、指では出せないピックの特権なわけですよ!
最近は2フィンガーしかできないってベーシストも増えたけど、どうだピック弾き、ダサくないでしょ?
ピック弾きしかできない人はこちらもどうぞ。
https://music-hour.com/bass/beginner/fingarstyle
ピッキングフォーム
ピックの魅力が伝わったところで、ようやくフォームやピックの握りかたなど基本的なアプローチを考えていきましょう。
- ピックを握る手が疲れる
- 曲中でよくピックが脱落する
って人は、基本的にピックの持ち方が悪いか、ご自身の手の大きさにピックがあってない事が大半です。
ピックの選び方は別項で。
ピックの握りかた、アングル
親指と人差し指で挟むように持つのがスタンダードな持ち方。
他の記事でも同じことを言ってますが、手の形・指の形は千差万別なので一人一人ベストなフォームというのは変わります。
爪の大きさでアングルが限られたり、指の関節が柔らかい人は中指でサポートするのが良かったりとケースバイケースなので、まずは自分の身体を観察してみましょう。
弦に対するピックの角度は
- 順アングル
- 逆アングル
- 並行アングル
とありますが、これは「狙ってそのアングルにする」というよりは、指の形・大きさによる差異の影響の方が強いかな。
アングルによって音色が変わるけれど、ピックの形や厚さである程度フォローできることなので、どれかできなくてもあまり深刻に悩まなくても全然大丈夫です。
大多数の人が自然とそうなるように、順アングルが一般的には良しとされるけど、ある種の数の暴力的な所はある。ステージで出てる音がカッコよければそれが全てだから優劣はないです。
…とは言え腱鞘炎だけ気をつけましょう、あんまりピックのせいでなったって聞かないけど。
手首は「スナップを効かせる」が必ずしも正解じゃない
いや、手首は使うんだけど「スナップ」って言葉を使うとスポーツの動作を連想させてしまうので、意識が変に作用する事があります。
使うのは腕の軸の回転運動です。スラップと使う筋肉が似てるかな。
スラップとスナップってややこしいね、書きながら気づいたけど。
ちなみに
- 手首の回転を生かす場面
- 手首を固定気味にした方が良い場面
っていうのもそれぞれあって
例えば、上に貼ったBobby VegaとJamaero Articeが対照的だから見比べてみてください。
Bobby Vegaの方は手首を返してるのに対して、Jamareo Artisの方は(パームミュートしてるのもあって)もうほとんど手首を固定してますよね。
やっぱり出したい音やフレーズによって適切な弾き方をするべきで、ロック、とりわけパンクの人がよくやる手首をある程度硬くして腕全体の力で押し込むように弾くスタイルも決して悪い弾き方じゃないんですよね。
“Punk is attitude”じゃないけど、まさに音にスタイルが出るから僕は好きです。
ミュート
ピック弾きだと右手で余弦ミュートができないので、より左手のコントロールが大切になってきます。(パームミュートは余弦ミュートとは違う目的なので除く)
ピッキングの正確さも大事ですが、右手は音色のコントロールに重きを置きたいので左手の強化も行いましょう。
左手のフォームは別記事があるので、そちらを参照してみてください。
https://music-hour.com/bass/beginner/left-hand-form
ピックはどういうのを選ぶ?
形状、材質、厚さなど様々なピック
何を使うかは好みによるところも大きいけど、「外さない」選び方で標準的なピックを一つ自分の中で決めておくと、目的によって使い分けができるようになります。
自分の中でリファレンスになるものを探すのために、まずは王道を知っておきましょう。
形状
エレキベースではティアドロップ、トライアングルを使う事がほとんどですね。
僕自身はティアドロップを使っていて、オススメもティアドロップ推し!
ティアドロップ型
JIM DUNLOP 418R TORTEX STD YE 0.73mm ギターピック×12枚
|
標準的な日本人の手の大きさであれば小さく感じる事はまずないはず。
幅もトライアングルより鋭角で、狙った弦に当てやすくリニアな弾き心地なので、ピッキングでサウンドの変化も付けやすいのもポイント。
トライアングル型
- おにぎり方の少し丸みがあるタイプ
- 大型の正三角形のタイプ
の2タイプあって、大型のタイプは「ベース用」として売られている事が多いかな。
大型は支えられる面積が大きいので安定しやすく、ルート弾きの8ビートなんかには持ってこいだけど、得意な事が限定的なのでどちらかというと特殊なタイプだと思っておいてください。
おにぎり型はどちらかというとギターのストロークに向いていて、個人的にはベースだと扱いづらい印象があります。
人によってはティアドロップよりも弾きやすく感じる事ももちろんあるので、好み選んでOK!
材質
音色にダイレクトに関わるので、好みによるところも大きく答えを明示しにくい部分だけれど、摩擦が少ない素材がベースでは好まれる傾向があります。
理由は単純でベースの巻き弦はギターと比べて目が荒く、エッジも立ちやすいからなんですよね。
厚さとの兼ね合いもあるけど、Jim Dunlopのトーテックスみたいな滑らかな素材の方がベースでは扱いやすいでしょう。
厚さ
厚すぎると「しなり」が無くなって指の負担が大きいし、薄すぎるとベース弦の太さに耐えられず割れやすかったりと難しいところ。
概ね0.7mm~1.2mmあたりの厚さがオススメです。
少し突っ込んで引いた時に、ある程度「しなり」があった方が立ち上がりの早いサウンドが出しやすく、あさむ個人としてはは耐久力の許すギリギリの薄さを好んで使ってます。
材質との兼ね合いもあるので一概には言い切れないけど、0.7mmをきる薄さはベースの太い弦だと割れやすく不向きです。
まとめ
ピック弾きでも意外と気を遣うべき事ってあるんですよね。
演奏ってリラックスばかり取り上げられるけれど、力を込めるべきところももちろんあるっていうのを気づいてもらえたら何よりです。
パワフルに攻める所、タイトにかっちり保持したい所、場面によってどういう選択をするのかを一度整理してみるだけでもプレイの幅はグッと広がります。
自戒を込めてだけど、視野を広く持っておくためにも自分の引き出しを広げる熱量は常に持っておきたいですね。